日本のデザイン・美術~ガラスの光沢が美しい『七宝焼き(しっぽうやき)』とは?

さて、ご紹介した母作の七宝焼きの作品ですが、そもそも『七宝焼き(しっぽうやき)』とは何?というところも、ご紹介したいと思います。『七宝焼き』は日本の伝統工芸の一つで、多くの美術作品が生み出されています。日本独自のものというわけではないですが、歴史も古く、日本の美術の一つといっても良いと思います。

日本のデザイン・美術~ガラスの光沢が美しい『七宝焼き(しっぽうやき)』とは?

『七宝焼き』の起源と工法について

元は、紀元前頃に中近東~中国から渡ってきた技術と言われています。日本では桃山時代頃にはじまったそうです。まさに、日本の伝統工芸の一つです。

七宝焼きは、金、銀、銅、鉄などの金属製の下地の上に、ガラス質の釉薬(ゆうやく)を盛ります。それを800℃前後の高温で焼くことによって、融けた釉薬が美しいエナメルのような質感になるものです。私の母から聞いた制作方法は、平たい状態の銀線を、あらかじめデザインした下絵のラインに沿って縦向きに置いていき、それによって区画分けされた部分(仕切り)に、ガラス質の釉薬・粉を盛っていってデザインします。釉薬は1色だけを盛るのではなく、少しまぜてグラデーションを表現したりしています。

日本で七宝焼きが有名なのは、京都府、愛知県(あま市)、山形県などがあります。京都は陶器の清水焼で有名な東山で、さかんに作られているようです。やはり京都は伝統工芸が多いですね。

なお、七宝焼きの名称の由来は、私は『七宝』に値する美しさがあるから『七宝焼き』と名付けられたと聞きましたが、諸説あるようで、「宝石を原料に使用した」から『七宝焼き』と名付けられたともされているようです。

七宝とは・・・仏教の教典に出てくる七種の宝のことで、「金」「銀」「瑠璃(るり)」「水晶」「しゃこ貝」「珊瑚」「めのう」だそうです。七宝の柄は着物によく出てきますね。

『七宝焼き』の作品の種類と制作について

七宝焼きの大きさは、ペンダント・トップやイヤリングなどの小さなサイズから、壺や照明などの大きさまであります。大きなものはかなり大がかりな施設(窯)が必要なため、一般の人が制作するのは、アクセサリーが人気のようです。母は、そんな小さなキャンバスでは物足りないようで、19cm×10cmサイズの銅版をキャンバスに、デザインを表現しているようです。

と、簡単に七宝焼きについてご紹介しましたが、なぜ母が七宝焼きで作品を作るようになったか、その魅力についてお話ししたいと思います。ただ、デザイン作品を作るなら、水彩画や油絵でも表現できますし、水墨画もいいですよね。七宝焼きの魅力の一つは、他にはない美しい色と光沢です。簡単に言うと、ガラス質の素材を焼いたものを、きれいに研磨して光沢を出しますので、色もかなり発色がいいです。鮮やかな色にやや鈍い色などを合わせたり、いろんな表現ができるのですね。

『七宝焼き』の表現方法はグラフィックデザインと一緒?

母の制作方法は、まず鉛筆で下絵を描くところからはじまります。「有線七宝技法」という方法で制作しているそうです。銀線でラインを引きますので、鉛筆で描けるような細かい表現はできないため、精密な下絵というよりは、ざっくりとしたラインの下絵です。直線はあまり使用せず、有機的なラインを使うことが多いようです。

選ぶモチーフですが、七宝焼き教室で一緒に制作している方は皆、犬や猫、花のモチーフが多いそうです。しかし、我が母は元グラフィックデザイナーの血が騒ぐのか、そういった人気のモチーフはほとんど使いません。浮世絵や水墨画でよくモチーフになっている、波や流水、植物も花だけではなく、茎や葉っぱまでデザインに入れます。もちろん、動物もモチーフとして使用しますが、犬や猫ではなく、鳥や魚が多いですね。そして、日本の情景を表現することが多いです。

82歳でもできる『七宝焼き』は老化防止にもいい

母は82歳ですが、七宝焼きに夢中で、とても楽しんで制作しています。元グラフィックデザイナーの気質とは、何歳になっても変わらないのですね。貪欲に、何かモチーフになりそうなものが見つかったら、すぐに紙と鉛筆をもってデザインしています。82歳なので、どうしても細かい表現はできないようです。というのも、年齢相応に細かい作業の時に手が震えてしまうそうです。
この七宝焼きの趣味は、年老いた母にはとてもいいことが多いのです!まず、デザインを考えるため「脳」をつかいます。そして、細かい作業のため指先もよく使います。指先を使うことは脳の活性化にいいんですよね。「脳を使う」ことは、老化を抑えるためにとても有効なことです。だから、我が母ながら若いんだな~と思ってしまったりします(笑)

私は、七宝焼きは着物のアクセサリーである帯留(おびどめ)で馴染みがあるのですが、こんなに様々な表現ができるものとは知らなかったです。夢中になる趣味があるっていいですね。いつか私も挑戦してみたいと思います!

参考文献:
★七宝焼き – Wikipedia
★七宝焼情報局

七宝焼きの作品紹介はこちら→元グラフィックデザイナーの母が作った『七宝焼き』の作品がすごい!

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